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限界集落株式会社

(2012年1月16日 20:53) | | コメント(2) | トラックバック(0)
限界集落株式会社

小学館 黒野伸一著

 起業のためにIT企業を辞めた多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地だった。 優は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになる。現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力と格闘し、限界集落を再生しよう とするのだが……。
ルールは変わった!
老人、フリーター、ホステスに犯罪者? かつての負け組たちが立ち上がる!!ベストセラー『万寿子さんの庭』の黒野伸一が、真正面からエンタテインメントに挑んだ最高傑作! 新しい公共がここにある。

Amazon 書籍紹介より 

 先に紹介した「くちびるに歌を」と同時に購入し、続けて読みました。

   ボリューム的にはこちらのほうが読みごたえがありましたが、楽しくあっという間に読了です。ちょっと出来すぎのような気もしますが、そこはお話ですから・・・。

  でも痛快感抜群で気持ちのよい読後感です。あちらこちらの限界集落もこんな風に活性化されれば、いいのにと思います。

  要は、だれが言い出しっぺになって、頑張るか・・・ですね。リタイヤ後の第二の人生の目標になる?!

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小学館 中田永一著

NHK全国学校音楽コンクール長崎県大会に出場する、五島列島のある中学校合唱部を舞台に、

空気のように透明な存在である「ひとりぼっちプロ」の桑原サトルや合唱部顧問松山先生の産休の

代用教員。合唱部顧問の代理でもある凛とした黒髪の長い柏木先生、合唱部部長の辻エリ、

エリの片腕ともいえる複雑な家族環境のなかで男性不信になってしまっている仲村ナズナ、

サトルが淡い恋心を寄せる長谷川コトミ、柔道部と合唱部を兼務する三田村リク、ナズナの幼なじみ

向井ケイスケなど個性的な面々の迷いながらも真摯に歩みつづける中学生たちの物語。

登場人物たちの思いに胸を打たれ、彼らと一緒に合唱しているような臨場感あふれる魅力と、

読者をして思わず自身の中学校時代の思い出に浸らせてくれる そんな力を持った小説でした。

 

今日明日は2011年度の大学入試センター試験。

長崎県大会の本番直前の描写につぎのような記述がある。

・・・頭の中で百回歌えば、百回同じに歌える。けれど実際の舞台ではそうならない。百回中の九十五回は平凡な演奏で、四回くらいノリの悪いダメな演奏があり、そして一回くらいは神がかったような演奏ができる。どうか奇跡の一回がまわってきますようにと祈る。・・・

受験生の皆さん全員にも、この奇跡の一回が回ってきますように!

 

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「おわり」のスタイル

(2011年12月16日 22:01) | | コメント(4) | トラックバック(0)

12月の半ばになって、本格的な冬型の気圧配置。

北風が電線を鳴らしながら吹きすぎている。

どこからともなく外の冷気が忍び込んできているようで足元が冷え冷えしてくる。

夜の町並み

まもなく2011年も終わろうとしているが、ことの終わりについて考えている。

実は愛読していた佐伯泰英氏の「密命シリーズ」が完了した。

密命シリーズ第26巻「晩節」

第一巻の「見参!寒月霞斬り」以降、第26巻「晩節」が

最終巻となったのである。 

「私の執筆スタイルは厳密な構成をなした上で書き始め

るというものではない。

一つの風景に男と女がすれ違ったときの、互いの感情を

ともかく最後まで一気に描写していくスタイルでパソコン

の前に座り、キーボードを叩き始めないと物語りは展開

しないのだ。・・・作者の気の向くままに金杉惣三郎は動

かされ、反対に金杉惣三郎の突飛な考えと行動に作者

が翻弄されながら『密命』は巻数を二十六まで重ねてき

た。・・・云々」

とは作者のあとがきの弁である。たぶんだからこそ、このシリーズは面白かったのだろう。

ゆえになおのこと、主人公 金杉惣三郎の奇行とも言える行動のエンディングが、どんな結末を迎える

のかと、興味深々でもあった。

作者自身がようやくの思いでエンディングをイメージできたとき、ひょっとすると作者は、結果的に書き

急いだのかもしれない。

ないものねだりであることは承知の上で、もう少し主人公を自由に行動させてやったらよかったのに

と思う。

 

作者の作ったシナリオどおりでは、小説の人物もいきいきと魅力的にはなりえないのかもしれない。

ましてや実世界に生きる我々が、誰かの書いたシナリオどおりに生かされているとすれば、

こんなにつまらない人生もない。

今朝考えていた一日の終わりと、この夜の時間が必ずしも同じではないからこそ、生きることは面白い

のかもしれないね!

 

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4月21日付 山梨日日新聞に北海道大学准教授の中島岳志さんの「大震災 喪失と出会い」

という文章が掲載されていました。

調べましたら、共同通信社配信ということで、日付は前後しますが、全国の地方紙に掲載

されているようです。

文章は、ご自身の20歳ころの体験から、始まります。

阪神大震災を20歳頃に体験し、1ヵ月後に神戸の町に行ってみた氏は、空き地で凧揚げを

しているおじいさんが気になって声をかけた。

「いつもここでたこをあげているんですか?」

・・・・・・・・・・

「地震でな、家内を亡くしてな。なんかこうやってたこをあげとると、手を握ってる感じがするねん」

・・・・・・・・・・

 

青空と

 

 

3月11日のあの日から1ヶ月以上が過ぎました。本当に大勢の方々が、肉親を亡くしました。

毎日のように世界中で繰り返されていたはずの縁者との別れですが、

今回ばかりは、余りにも短時間の中で余りにも多くの別れを経験しましたので、

社会全体として喪失感が共有化されているようにおもいます。

地震関連の記事を読むたび、現地の映像が流れるたびに、とめどなく涙が流れてきます。

 

亡くなる前のあなたと私。同じ肉体を持ち悩みや希望を持っている生者同士の関係は、

どこかに不可侵の領域を持つ、具体的な肉体同士の不透明さのある関係。

あなたが、生者から死者という透明な存在になったことで、私が望むと望まざるとに

かかわらず、あなたは私の心の中に、何の前触れもなく突然に、自由にやってきます。

あなたが生者であったときには、隠しおおせた秘密の部分も、透明な存在のあなたからは

隠し続けることはできないのです。

あなたが訪れたことに気付かないふりをして防御の無表情を装うこと・・・

隠しおおせないことを悟って、真摯にあなたと向き合うこと・・・

そのどちらかを選択する決断に迫られています。

 

そして、生き残った私と死者となったあなたとの、新しい関係が始まったのです。

言い古された言葉だけれど、「私の心の中にあなたが生き続けていく」のです。

そして私もいつか必ず、あなたと同じように死者となって、生者である縁者との

新しい関係を築いてゆくのでしょう。

白根の桃の花

 

妻を亡くした旦那さんが、まだ幼い娘に

「お母さんは透明になっていつもあなたを見守っているよ」と言い聞かせた話や、

亡くなった息子の代わりに行方不明のままの教え子を探して歩いているという父親の話など・・・

マスコミを通じて伝わってくる被災した方々の断片的なエピソードが、思い起こされます。

青空へ

 

時々私のイメージの中に、東北の青空を、天に向かってゆく本当に数え切れない大勢の方々の

姿が浮かぶことがあります。

お仕着せの信仰ではない、日本の風土のなかにあるキリスト者としての信仰のイメージが

少しだけですが具体的に見えてきそうな予感があります。

 

中島岳志さんの「大震災 喪失と出会い」の記事全文は、こちらのブログに引用されています。

夢で会いましょう ~民宿Dubian~

まだ読んでいない方は、ご一読をおすすめします。

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作者の朴裕河 さんは、ほぼ同年齢の韓国在中の日本文学研究家。

韓国の高等学校を卒業後、慶応大学、早稲田大学大学院で学ぶ。当時の学生時代を同じ東京で

過ごしていたであろうという意味で、親近感を覚えつつ本を手に取った。

読み進めるうちに、教科書問題・慰安婦問題・靖国神社問題・独島(竹島)問題という日韓(韓日)

それぞれで取り上げられる課題への国民感情やそれぞれを代表する意見の根拠などについて、

こじれた糸を丁寧にときほぐすように、非常にしなやかでかつ本質に迫っていこうとする論調に

敬意と尊敬の念を覚える!

問題が非常にデリケートであるだけに「渦中の栗をあえてひろう」この本や彼女の立場に対しては、

韓国本国はもとより、日本のなかでも賛否に分かれる意見があるようだ。

しかし、「韓国自身の責任を問うことで日本の植民地政策を免罪する」・「日本女(親日?)」という

レッテルを貼られることは本当に不本意なのだろうと私も思う。

なによりも、日韓(韓日)の不幸な過去をどのように清算し、平和な友好関係を築くにはこれから

どうしたらいいのかという目的意識が明確であり、すべての混沌をその一点で捕らえ直そうとして

いるからこそ、しなやかでたくましい印象なのだ。

不幸な過去の歴史の果てに生きている日本人の一人として、何をどのように考えたらいいのか。

特に、国家とか民族とかの問題について「境界民の思考」をめぐる作者の論調は、示唆に富んで

いると思う。

まだ、読まれていない方には、おすすめの一冊である

南アルプス2011.3.4

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農業生産法人「サラダボウル」の田中社長さんから、本を出版したので、とメールをいただきました。

田中さんとは、韮崎ブログ研究会「AZAZU」のつながりで、親しくさせていただいています。

早速、Amazonで注文。本のタイトルは、「ぼくらは農業で幸せに生きる」

ぼくらは農業で幸せに生きる

年代的には1回り半ほど、違うのですが、大変刺激をいただいている方なので、

楽しみに読み始めました。

大変深いところから、物事を考え直すきっかけをいただけそうで、大事に読んでいます。

今回は、そんな記事の中から・・・

精密部品組立の会社を経営している経営者から教えていただいた言葉。アメリカの著述家ウィリアム・A・ウォードの言葉。
  • 凡庸な教師は指示をする。
  • 良い教師は説明をする。
  • 優れた教師は範となる。
  • 偉大な教師は内なる心に火をつける。
私もしばらく教育に関わった身なので、琴線に触れたのかもしれませんが、一般的には

せいぜい3段階くらいまでしか考えていないかもしれません。「偉大な教師」という枠組み。

ちょっと、視界が開けたような感じでした。

その他の感想は、またあらためて・・・。


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ライ麦畑でつかまえて
J.D.サリンジャーさんがなくなったという記事を新聞で読み、気になっていたのですが、先日TUTAYAで、この本を発見。

実は、初めて読みました。

角田光代さんのエッセイではないけれど、
「なんで?」と聞かれると、何でだろうと考えてみる。

主人公と同じ15歳では、せいぜい「車輪の下」が限界だったし、身の回りに読んでる人もいなかったような気もする。

16歳の冬には、主人公のこの病的な部分に異様に敏感に反応しすぎて、逆に読みきれなかっただろう。

17歳の時は、「怒りの葡萄」や光瀬龍さんのSFに向かっていた・・・18歳では、カミュとかドストエフスキーとか・・・もう少し重たい小説を一通り読み込んでいたような気がする。
要するに出会わなかった訳だ。「いちご白書・・・」なんかが、「ライ麦・・・」の話題をつれていたような気がするけれど、本当に出会わなかった。


ともあれ、読んでみて、やっぱり独特な読後感のある本である。
 語り口も鼻につくし、「おいおい・・・」といった人物批評や、なにより彼もどうしていいやら自分でも持て余している「あの思春期の感情」の奔流のようなものが、はじめのうちは、どうしてもなじめない。これもこの年になったからこそ、感じたものか・・・。
が、読み終わった後の感覚は何だろう。なぜか懐かしい感情が残っているのである。

訳者の解説を借りれば、
  作品の基本的性格・・・子供の夢と大人の現実との衝突ともいえるだろう。・・・ 主人公ホールデンの言葉や行動が誇張にみちて偽悪的なまでにどぎついのは、大人が善とし美としている因襲道徳や、いわゆる公序良俗なるものの欺瞞性を何とかしてあばこうとする彼の激情の所産である。

 仮面が身についた大人の常識からすれば、たしかに正気の沙汰とは思えぬ所業であり、ひんしゅくすべき野卑な言葉をまきちらす要注意人物かもしれない。そういう観点からこの作品を禁書目録にのせた学校も地方当局もあったし、逆にまた、心理学その他の教材に使用している教師も少なくないと聞く。しかし、「幸運を祈るよ」と歴史のスペンサー先生に言われて、反射的に嫌悪を感じ、自分ならばそんなことは絶対に言わないだろうと思うホールデンの感覚・・・祈りもしないのに祈ると言い、祈る対象すら持たぬ人間が祈ると書く??その無神経、そのインチキさ。更には「幸運とは何か」、相手の「幸運を祈る」とは具体的にどういうことか、それを考えもしないで安易に口にする無責任さ。・・・ホールデンの反撥の基本的なものはここにある。だから、この感覚、この反撥が理解できれば、この小説は一挙にわかるはずだ。

・・・ということらしい。

この、「ライ麦畑・・・」村上春樹さん翻訳のものも出ているらしい。
題名は、原作そのままに『キャッチャー・イン・ザ・ライ』というのだそうだ。

機会があれば、読み比べてみたい気分になってきた。

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